Cerrado
Cerrado
2013.03.01 - 2013.03.30
「不毛の土地」と言われてきたブラジル中部の広大なサバンナ、セラード。ブラジル国土の21%ものエリアに広がる。
酸性の土壌は耕作に不向きとされてきたが、1979年には日本との共同事業が開始され石灰を大量投入することによって土壌を中和、「改良」。乾いた草原は輸出用大豆などの大規模農場へと姿を変えた。
「セラードの奇跡」。不毛の地はブラジルの誇りに。
けれど物事にはいろんな側面がある。
乾いて貧しく見えたその土地の地下では木々の根っこがスポンジのように絡み合い、実は南アメリカ大陸全体の水源として機能していた。セラードの乾燥した気候に耐えてきた生態系は豊かで、希少な動植物が生息していた。
すでに少なくとも80%のエリアでは開発の影響を受けた。
古くからセラードの土地で生活してきた小農民や牛飼いたちはそこでの生活を奪われ、土地と共に育まれてきた文化は見渡す限り同じ風景が続く大規模農場に飲み込まれていく。
撮影地:ブラジル
撮影時期:2013年