写真家

JP

EN

COLUMN

HOME

COLUMN

ポートレート撮影について、考えたこと

ポートレートは「いかにその人の良さを引き出して切り取るか」とよく言いますが・・・
実はピンときてなくて、まぁそうとも言えるのかな?くらいに思っていました。

友人を撮らせてもらうときに、「私なりに感じてる彼/彼女がちゃんと伝わる写真とらないとな」と思います。けどほとんどははじめましてな方や、初めてじゃなくてもお付き合いがそんなに深くはない方の撮影。

そもそもひとりの人の「良さ」って受け取る人によって感じ方が違うし、では「良さを引き出す」とは・・?そもそも誰かの良さを撮影にあたって「引き出す」ことなんて可能なのか?
こういうことをちゃんと論理的に考えて整理していくことは得意じゃないのですが、そのずっとあった違和感と自分が撮影の時に大事にしたいと思ってきたことを、最近やっと自分の中で消化できてきた気がしています。

なんか、撮影ってバイブスとバイブスのぶつかりあいだな・・・っと!(伝われ)

ある方と私がいて、お互いのその日のコンディションや気候、湿度、場の空気。生きてるとほんとうにいろいろあって、そんな中でのある1日の決まったお時間をいただいての撮影です。フォトグラファーとしてここでやりたいことは、技術と機材を適切に使って、自分のコンディションを整えた状態でその時のその方の存在感を写真に残すこと。撮影の現場が楽しくないと笑顔で写っていたとしてもそれは写真から伝わると思う。その存在感をいかに生き生きとしたものにするかはフォトグラファーの仕事のひとつだから、自分がきちんと集中してのぞむことはもちろん、投げて跳ね返してくれるものを撮る。飛ばしてきてくれるものを打ち返す。波風を立てる!

良さを引き出すとか、切り取るとか。そんな偉くないなと思って。引き出されるまでもなくある美しさをちゃんと撮ることを大切にしてきたししていきたいと思った今日この頃です。